小池都知事への8つの公開質問を読む~Q6:6月30日の「新たな指標」が、数値基準もない曖昧なものであるのはなぜですか?

2020年07月03日

質問6は、6月30日に発表された「新たな指標」について質問するものです。6月30日の記者会見で、小池都知事は、「これまで、医師や感染症の専門家の方々から御意見を伺いながら、新たなモニタリングについて検討を進めてまいりました。本日、都としての考えをとりまとめましたので、お伝えいたします。」と発表しましたが、ちょうど同日の検査陽性者数が前日までの50人台を突破して67人に達した日でした。

「あなたは、昨日新型コロナ・ウイルスの「次の波」への警戒を呼びかけるための新たな「指標」とされるものを公表されました。しかし、アラート解除時よりも状況が悪化しているにもかかわらず、何ら数値的な指標を示すこともなく、医療提供体制の状況を重視し、具体的な数値基準は設けず、専門家らによる分析などを踏まえ、「緊急事態宣言下での最大値」などと比較して、必要に応じて警戒を呼びかけていくとされました。

第1段落:小池都知事の新たな「指標」の内容ですが、感染状況の項目として、①新規陽性者数、②#7119(東京消防庁救急相談センターにおける発熱等相談件数及び③新規陽性者における接触歴等不明者(数・増加比)、医療提供体制の項目として、④検査の陽性率(検査人数)⑤救急医療の東京ルールの適用件数、⑥入院患者数及び⑦重症患者数をあげ、上記項目の現在の数値を、前週・緊急事態宣言下での最大値と比較しながら分析、というものです。しかし、何ら数値的な指標が示されていませんでした。

「これまでは、あなたは、曲がりなりにも、新規陽性患者数が週平均で20名を超える、感染経路の不明が半分以上などの数値基準を示していましたが、現状はこの基準を上回っています。にもかかわらず、何も対策を取らないことの言い訳に、数値的指標そのものを撤廃したものと言わざるを得ません。このようなやり方で、都として科学的根拠に基づく対策がどうしてとれるのかを説明してください。」

第2段落:小池都知事の従前対応及び新たな「指標」に対する批判です。すなわち、従前の「指標」には具体的な数値基準が示されており、それによれば対策を取るべきところ、それを取らないことの言い訳のために数値基準は撤廃し、いわば総合的な考慮と称して恣意的な判断を可能にしようとしているのではないかという指摘です。結局、新たな「指標」自体が小池都知事が十分な対策をしていないとの批判を避けるための政治的思惑によって策定されたものではないか、それゆえ、科学的根拠にも基づかないのではないかという疑問です。

#小池都知事は宇都宮さんの質問に答えてください