小池都知事は水道民営化を中止せよ

2020年07月01日

小池都知事は、比較的抵抗が少ないと思われる下水道事業から民間委託の実績を作ろうという姑息な対応をしています。この点についても、宇都宮けんじさんは、「水道事業の民営化(コンセッション方式を含む)に反対します。」と重要政策02(3)⑪を掲げ経過も説明しています。

「東京都の下水道事業は、小池都知事が就任直後の2017年12月東京都の下水道施設の運営権を民間事業者に売却するいわゆるコンセッション方式の検討が始められました。

背景には、東京都の人口減少、老朽化したインフラの更新、そして、豪雨など自然災害の増加があり、これらの危機に対応するためには、民間企業の資金、経営ノウハウ等を活用しようという理屈です。日本政府によるPPP(官民連携)/PFIの推進と一致しています。

しかし、都民のいのちを守るためには、公共による維持・管理が必要であり、特にコロナ災害において、医療等と並び公共の責任で必須のサービスをおこなう責任と意義は明らかになりました。民営化に進むあらゆる動きに反対します。

まず、下水道の民営化の検討をただちに中止し、上水道についても民営化の検討につながるうごきに反対します。」

国政との関係も説明します。2018年12月に成立した水道法一部改正法により、各地方公共団体が運営する水道事業をコンセッション化(水道施設運営権を設置し民間企業による水道施設運営等事業を行うこと)が可能となりました。

水道は、命に直結する最重要なインフラ施設であり、その運営責任を民間に売り渡し、儲けの手段とすることで、住民が安心安全な水道を安価に享受することができなくなるおそれがあります。民間が収益の確保・増大のため、利用料金が高騰するおそれがあるのです。

同改正に関しては、内閣府民間資金等活用事業推進室にフランスの大手水道サービス業者のヴェオリア社日本法人からの出向者が所属していたことが判明し、政府中枢に民間企業が入り込み、公共サービスを儲けの手段にしようとしていることが明らかとなりました。

東京都水道局は、下水道施設の運営権を民間企業に売却することを検討していることを明らかにしており、2018年度には包括的民間委託やコンセッション方式など施設運営手法に関して調査を行っています。

上水道については、民営化問題が大きく取りざたされ、都民の抵抗も強いと考えられることから、比較的抵抗の少ない下水道事業から民間委託の実績を作ろうとするものと考えられます。静岡県浜松市でも市民の運動が高揚し、民営化が無期限延期となりました。

こうした生活に直結し、かつ、水という命を左右しかねない重要なインフラについて、経済的合理性を優先し、東京都がその責務を放棄することは、決して許されません。世界では水道民営化が各地で失敗し、「水道の再公営化」を求める運動が広がっているのです。